姿勢作りはお腹から
姿勢指導についてのお話です。
姿勢には意識、認識の修正等である程度
形を作れる身体の状態の場合と、
歪みの状態等によっては、
どうしても再現が難しい、
構造的に無理な身体の状態があります。
中心軸整体に来られるお子さんの
ほとんどが後者であり、構造的に
無理がある事に対する周囲の理解不足から
「やる気がない」
「グニャグニャしている」
「いうことを聞かない」
と思われがちです。
ただし、出来ないなりにも正しい方向、
あるべき方向を教える事で、
姿勢の崩れによる悪影響を最小限にする事は出来ます。
背中の丸まった姿勢は、外見上の印象や
背骨への負担もさることながら、
腹部の圧迫による内臓機能への影響も
大きな問題です。
前回ブログS君のように
現状では構造的に骨盤を立てて座る事や、
生理的湾曲を再現した立位は不可能な中で
日常姿勢で負担なく容易に出来る方法として
・へそを正面に向ける事、
・お腹をつぶさないようにしておくこと
を指導します。
お子さんだけでなく、大人にも同様の
指導をする事がありますが、
たったこれだけの事でも、
背面部を緊張させる事なく
楽に腹腰の安定感を得られます。
ただ、大人の場合は、
「お腹をつぶさない」という事が
解らなくなってる方が多くいます。
慢性緊張歴の短い子供程、
再現性、定着度は高くありますが、
成人の場合、年齢が高くなるほど
腹部感覚の低さや、背面、頭部緊張の
高さから、感覚を得にくい様です。
「背筋を伸ばす」「胸を張る」
「腰を立てて」等の指導だと、
本来必要な胸椎後湾をつぶしたり、
腰背部に不要な慢性緊張を生じさせます。
また、背骨本来の生理的湾曲を崩し
座位における重心が前傾し過ぎて
前のめりな上半身癖がつきます。
そして背面部の緊張度の高さと反比例するように、
お腹の弛緩、拡張からの前後不安定は
重心そのものの不安定な状態を生みます。
胴体前後の不安定な中で、
重たい頭をのせるというのは、
肩、首に本来の仕事以外の過重労働を
強いる事です。
この様な状態が小中高と椅子生活で続く
わけですから、肩こり、腰痛がなくなるはずが
ありません。
特にアレルギーのある方の場合、
呼吸器のある胸郭、
内臓のある腹部の安定、強化が何より重要です。
また身体の重心は胸より
お腹にあると姿勢が安定します。
また、立位姿勢で、膝に遊びを持たせると、
全身緊張を防ぎ、重心感覚を感じやすくなります。
腹部を中心に土台を安定させる方向で、
姿勢を作っていくことは、
姿勢だけの問題にとどまらず、
精神的な安定度向上にも、なくてはならないものです。
*骨格細分化調整は、医療行為ではないため病気の治療は行いません。
より良く立てる身体作りを目的に行う骨格調整です。
また、骨格細分化調整における検査は、病気の診断や、
原因を特定するものではありません。
「マス目の歪み」という独自の考えの元に、
現状把握、調整箇所特定及び、
全身バランスの変化観察の為に行われるものです。